国連PKO要員の性的暴力は昨年69件、最悪は中央アフリカ
(CNN) 国連は5日までに、世界各地で展開する計10の国連平和維持活動(PKO)任務で要員による未成年者らへの性的暴力が疑われる事例が昨年、計69件あったとの報告書を公表した。2011年以降、同様の件数では最多で、前年比でも激増したとしている。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長がまとめた報告書は、対策として任務地での性犯罪を裁く軍事法廷の設定を要請。報告者はまた、性的搾取や虐待への関与が疑われる要員の出身国を初めて明らかにした。
69件のうちの3分の2が未成年者との性的接触に関連し、出産を強いられたのが15件あった。
全体のうちの22件は中央アフリカの派遣団で発生。同国でのPKO要員による性的暴行事件は昨年表面化し、派遣団団長は8月に解任されていた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが同国の首都バンギで12歳の少女が要員に強姦(ごうかん)されたと告発したことを受けた措置だった。
中央アフリカでは2014年、フランスのPKO要員による児童の性的搾取容疑事件が発覚し、独立調査委員会は昨年12月、国連によるこの疑惑への対応は組織全体の失敗と結論付けてもいた。中央アフリカのPKO派遣団は先月、新たな性的搾取事件と考えられる7件が判明したとも発表していた。